私が入社以来所属する食品材料第2部では、日成共益の主な商材である乳製品以外の食品材料を取り扱っています。担当するクライアントは調味料や冷凍食品の大手メーカーを中心とした30~40社で、「より良いもの、より安いもの」というように、常に何らかの付加価値を求められます。
サプライヤーとクライアントの板挟みになることが多く、妥協点を見つけるのはなかなか難しいですが、それが商社の醍醐味であって、やりがいにもつながっています。
日成共益との運命的な出会い
幼い頃は、やんちゃで落ち着きがなく、とにかく外で遊ぶのが好きな子どもでした。
学生時代は食べることや人と接することが好きで、コンビニエンスストア、ラーメン屋、居酒屋と飲食関係のアルバイトに燃えていました。そうした経験の中で、私は「食べ物に関わる仕事って面白い」と考えるようになりました。
人は食べないと生きていけない。そんな大切なものを扱うやりがいがある。食品会社の営業なら、五感を使ってお客様と商談できる。そして、食べ物に関するイメージを共有できたらとても楽しいんじゃないかと、そんな想いが大きく膨らみました。そこで、就職活動で志望したのは、食品メーカーと商社。ただ、やはりメーカーは扱う商品が限定されてしまうので、最終的には、食材にこだわらず自由に仕事できる商社に絞り、出会ったのが日成共益でした。食品の原材料を扱っているなら、幅広いフィールドで仕事ができるはずと確信しました。そして、OB訪問で出会った先輩がとても親身になって対応してくださったことが決め手となり、そこから私の商社マンライフがスタートしたのです。
競合他社の参入阻止に奔走
ある時、私の担当で年間売上数億円の実績がある食品メーカーに、競合他社が参入を試みてきました。もしシェアを奪われることがあれば、日成共益としても大きな損害となります。当然、担当者の私としては参入を阻止するために奔走しました。まず、ライバル社に関する情報収集から着手。どんな会社なのか。どんな条件を出してきているのか。クライアントの担当者は簡単には教えてくれませんから、粘り強く聞き出すことに努めたのです。そのうえで、クライアントが何を望んでいるのか、何をクリアすれば当社との契約を継続してくれるのかを探る。社内の上司やチームの仲間と一丸となって知恵を出し合う。サプライヤーにもフィードバックして試作や協議を重ねる。新たな条件でクライアントに提案する。それらを何度となく繰り返しました。その結果、クライアントに当社の努力や提供価値を認めていただき、販売契約を継続することに成功したのです。一番うれしかったのは、サプライヤーから「永野さんがいてくれてよかった」という言葉を聞いた時。サプライヤーとクライアントとの間にいる自分の存在意義が認められたという喜びがこみ上げてきました。
自分が間にいることで価値を提供
今でもよく思い返すのは、以前、先輩に言われた言葉。「何もフォローしないのなら商社なんていらない。自動販売機でいいんだ」。
日成共益が、そして、永野隆弘が、間にいることでサプライヤーにもクライアントにも何らかの価値を提供できる。これからもそんな仕事を目指していきます。