もともと食品関係に興味があったのですが、入社後、配属されたのは化学品第1部。最初は戸惑いもあったものの、3年目の今は、この分野の面白さや難しさがわかってきました。
主な業務は製紙に使用する多様な薬剤を輸入し、製紙会社に販売する仕事で、私は大手製紙会社2社を担当しています。2社といっても、さまざまな部署と交渉するため、アプローチする人数は多く、クライアントの中へ深く入り込んでいく営業が求められます。
転校のつらい経験が大きな転換期に
自分の少年時代を振り返って思い出されるのは、小1・中3の時に転校を経験したことです。特に、中学生の時は卒業間近の転校だったので、仲間と別れるのがつらく、人とのつながりの大切さを痛感させられました。その頃感じた「人は一人では生きていけない」という認識が、今でも私の心の中に残っています。
商社は人との信頼関係が重要ですが、それは何も努力せずに築けるものではありません。昔のつらい経験があったからこそ、現在の仕事でもサプライヤー・クライアントの方々との出会いや対話を大切にし、よりよい人間関係の構築に努めることができるのかもしれないと思います。
そんな私と日成共益との出会いは“偶然”でした。大学の就職サポートセンターで、紹介されたいくつかの会社の業務内容の中から、興味を持ったものを選ぶように言われ、最初に手に取ったのが日成共益だったのです。商社はメーカーのように特定の商品を持たないので、さまざまな分野・業界に参入し工夫次第で自分のやりたい仕事ができるのではないか。そんな考えが入社のきっかけでした。
大きな新規取引を成功に導く
私が担当するクライアントの工場のうち、まだ取引がなかった工場に、製品の強度向上に使う原料を販売する営業活動に着手しました。
まったくの新規参入で、クライアントにとって使ったことのない原料を導入するのは大きなリスクが伴うため、交渉は難航。そこでまず、日成共益の営業所と連携して、同社工場の担当者を説得しながら、その本社にも交渉・調整を行うという、多方面作戦を展開したのです。最大のハードルは価格面で、国際市況の変動による輸入原料の価格上昇がネックとなっていました。化学品分野の営業の特徴としては、価格勝負になることも多く、サプライヤーとの交渉でいかにコストダウンできるかがポイントになります。半年近く、毎日のようにサプライヤーとクライアントを回って交渉を繰り返した結果、ついに数百トンの単位でオーダーをいただけることが決定しました。成功要因としては、上司や先輩の手厚いサポートが奏功したこと。そして、クライアントの担当者が私と同年代だったので、お互いに価値観が近く、本音で話し合えたからだと思っています。人とのつながりを大切にすることが仕事を成功に導く――日成共益の理念と自分の想いがカタチになった気がして、達成感でいっぱいになりました。
新たな挑戦で男のロマンを実現
今の仕事の醍醐味は、取引のスケールが大きいこと。場合によっては、船一隻分の契約が決まることもある。まさに男のロマンです。今後は製紙関連だけでなく、他業界への進出や新しいビジネスモデルの開発などにもチャレンジしていきます。